販売会社で価格はどう違う?AED設置のための手引き書

価格と品質で賢く選ぶ!AED購入ナビ

かかる費用相場と内訳

AEDを導入する際、どのぐらいの費用がかかるのでしょうか。このページでは本体価格のほかにパットなどの消耗品費用について、また自治体による補助金(助成金)についても説明します。

別ページでは、他にもAEDの価格についての基礎知識を紹介しています。

AEDの価格は?

AEDを導入するときに、もっとも気になるのはその価格でしょう。AEDの価格は、購入する場合はメーカーや機種によって差が生じてきますが、最近では30万以下の製品も増えてきている反面、製品によっては70万円前後のものもあります。

レンタルも利用できます。レンタルの場合はレンタル期間によって価格が異なります。例えば1日だけのレンタルであれば月額7,000円程度から。5年間のレンタルであれば、毎月5,000円~6,500円程度と短期よりは安くなります。常備しておきたいのか、短期間だけ準備しておきたいのかといった目的によって購入かレンタルかを考えればいいと思います。

  • AED本体の価格

購入…18万~40万円程度 製品によっては70万円前後のものも
レンタル…毎月5,000円~6,500円 1日のみの場合は、7,000円~

中には、利率分を含まない金額で価格表記をしている販売店もあるようですので注意が必要です。購入・レンタルをする際には、実際の価格・料金を事前にしっかりと確認しましょう。

AEDの価格がモデルによって違う理由

AEDはモデル・機種によって値段が異なります。値段が高い上位機種には価格が安い下位機種にはない機能が搭載されていることが、異なる機種間の価格の違いの主な理由ですが、価格が高い機種にはどのような機能が搭載されているのでしょうか。

成人・小児用切り替え機能の有無

六歳未満の未就学児にAEDを使用する場合、電気ショックの電圧および電流を小さくする必要があります。成人・小児用切り替え機能が搭載されたAEDの場合、この操作をスイッチ一つで簡単に行うことが出来ます。反対に、成人・小児用切り替え機能が搭載されていないAEDの場合、未就学児に使用する際には、専用の小児用電極パッドを装着する必要があります。

成人・小児用切り替え機能が搭載されたAEDは、そうでないAEDよりも高額である場合がほとんどですが、小児用電極パッドはおおよそ2万円程となっており、また、使用可能期間も一年半ほどと成人用のものよりも短い場合がほとんどです。そのため、ラニングコストを考えると、両者の価格差は小さくなります。未就学児へのAEDの使用が想定される場合には、導入コストが高くつくとしても、成人・小児用切り替え機能付きのモデルを選んだ方が良いと言えるでしょう。

液晶モニターの有無

液晶モニターの有無も、AEDの機種間の価格差の理由の一つです。基本的にAEDは音声ガイダンスで操作することが出来ますが、液晶モニター付きのAEDであれば、難聴の人でも操作することが出来ることに加え、さらに、音が聞こえにくい環境でも問題なく操作することが可能です。そのため、液晶モニター付きのAEDは、老人ホームといった介護施設やゲームセンター等で多く導入されています。

保証期間や耐用期間

また、保証期間や耐用期間の違いも、AEDの機種間の価格差の理由の一つとなっています。

保証期間とは、万が一AEDが故障した場合に、無償で修理等が受けられる期間のことです。保証期間を5年とする機種がほとんどですが、中には、8年の保証期間が付帯する機種もあります。他方で、耐用期間とは、AEDを安全に使用することが出来る期間のことで、この期間を超えれば、更新を必ずする必要があります。耐用期間は機種によって、6年~8年ほどとなっています。

基本的に保証期間・耐用期間が長くなればなるほど、機種の価格も高くなります。ですが、保証期間・耐用期間が長くなればなるほど、安全に使用することが出来る期間も増えるため、長い目でみると、価格差は小さくなります。

AEDのランニングコストと費用相場

AEDは本体の価格だけではなく、実際に使用するためのランニングコストがかかります。

ランニングコスト① 電極パッド

電極パッドはAEDに欠かせない消耗品の一つです。交換時期は約2年程度とされており、価格は7,000円から1万円程度が相場とされています。AEDを使用すれば電極パッドは使い捨てとなるため、予備としてもう1枚分余分に用意しておくことが理想的。

また、小児用の電極パッドは2万円程度が相場であり、使用期限は1年半程度がほとんどです。新しいタイプのAEDだと、成人・小児の切り替えスイッチがついているモデルが多く、小児用の電極パッドは用意しなくても良い可能性があります。

ランニングコスト② バッテリー

バッテリーは約4年で交換時期がやってきます。価格は3万円程度が相場ですが、待機寿命が5年のものだと4万円程度が相場とされています。バッテリーも消耗品のため、レンタルでAEDを導入する場合でも必須でバッテリー・電極パッドのコストはかかると覚えておきましょう。

そのほかのAED関連の備品と費用

電極パッドやバッテリーといった必需品の他にも、AED関連で以下のような備品が必要なことがあります。

自立式収納ケース

駅前などでよく目にする、地面に置かれる形で設置される1mほどの高さを持ったAED専用収納ボックスです。材質や生産地によって価格に開きがあり、10万円から20万円が相場です。扉を開くと音が鳴る場合がほとんどですが、音を鳴らすための電池は都度交換が必要です。

壁掛け式収納ケース

駅などでよく目にする、ビス・アンカーなどで壁に設置するタイプのAED専用収納ケースです。自立式と比べて下側の収納スペースがなくなる分、相場も4万円から7万円と価格は低め。壁に穴を開けられないような場所には設置できません。壁掛け式も自立式と同様、扉を開くと音が鳴るよう設計されています。

壁掛けホルダ

収納ケースよりも手軽に壁掛けでAEDを設置できるホルダです。2万円が相場と安価ですが、常にAEDが外気に触れる状態となる他、扉もないためAEDを取り出しても音が鳴りません。どこにでもAED置き場を気軽に作れるのがメリットです。

レスキューセット

AEDを使用する際に使う、衣服の裁断用ハサミやマウスピース、手袋、カミソリ、給水用使い捨て不織布などが入ったレスキューセットです。AED本体に付属して販売されていることもありますが、そうでない場合は合わせて購入しておくと安心です。

情報参照元

参照元:AEDガイド/株式会社クオリティー(https://inoti-aed.com/aed-fixtures/

AEDの補助金(助成金)とは

AEDは、現在では公営の施設や学校、駅など、人が集う様々な場所に設置されるようになりました。自治体によっては、設置の際の補助金を交付しています。自治体の出す条件を満たす必要がありますが、申請が通れば補助金を受けられます。
例えば大田区の場合を見てみましょう。

  • AED設置の助成金 東京都大田区の場合

大田区のウェブサイトには「区民が参加し、又は主催する各種行事において、参加者等が心停止状態に陥ったときの救命活動に備えるために、主催する団体がAEDをレンタルする場合、大田区がそのレンタル費用の一部を助成します」とあります。
助成の対象は住民や在勤者で、その他にもいくつかの条件がありますが、助成額は全体の費用の9割にもおよびます。

  • AED設置の助成金 東京都豊島区の場合

豊島区には、老人福祉施設等に対して24時間いつでもAEDを使用できる状態で設置するための初期費用を補助してくれる「老人福祉施設等24時間AED設置補助事業」があります。

救急法講習を受講している者または受講する者がいること、盗難保険に加入することなどいくつかの要件を満たさなければ助成を受けることが出来ないため注意してください。さらに事前に申請が必要となるので、事前に電話で確認し導入を進めるようにしましょう。

  • AED設置の助成金 東京都荒川区の場合

荒川区のホームページによると「日頃から自主的に地震等の災害に備え、自己の安全の確保に努める「自助」と、相互に協力して地域の安全確保に努める「共助」による震災対策を促進するとともに、水害時に近隣住民の一時の避難先となる建物を「災害時地域貢献建築物」として認定することにより、地域防災力の向上を図っています。」と書かれてあります。

つまり、災害時等の避難先になる建物であれば、AEDを含む機材などの助成が受けられます。ただし災害時対策が主な目的のため「緊急時に近隣住民が建物内に避難することについて、所有者等の相当数が同意していること」や「町会への加入又は自治会の設立をしていること」などの認定基準が設けられています。補助金は上限50万円で購入経費の2分の1を補助してくれるとのことです。

  • AED設置の助成金 東京都足立区の場合

足立区では「商店街の利用者が、安全かつ安心して買い物ができるための商店街環境を整備するため、AED(自動体外式除細動器)の初期費用を補助します。」とホームページに明記されてあります。

設置基準は「区の協定に同意できること」とされており、商店街で救命救急講習会の受講以外具体的な基準は明記されていません。ただし補助金は初期購入費用の10割なので足立区商店街において導入を検討中の方は、申請をした方がお得に導入できるでしょう。

  • AED設置の助成金 東京都千代田区の場合

千代田区では住宅街づくり事業の一環として「マンション内だけではなく近隣地域で利用できるAEDをマンションに設置します」とホームページに記載されてあります。

「全戸数の半数以上、または10戸以上が住宅として使用されていること」などの条件を満たしたマンションにおいて、 AEDを3年間設置してくれるようです。3年以上設置する場合には、再度申請が必要になります。申請には管理規約の写しや、マンション防災計画の写しなどの書類が必要です。

  • AED設置の助成金 東京都中小企業振興公社の場合

東京都中小企業振興公社には、BCP(事業継続計画)に関する助成金として「BCP実践促進助成金」があります。これは中小企業がBCPを実践するための経費を一部助成してくれるもの。中小企業であることや、BCP策定支援講座を受講していることといった条件はありますが、BCPの中にAEDの設置を盛り込んでいれば助成が受けられます。

また、助成率は助成対象経費の1/2(小規模企業は2/3)以内。助成限度額は1,500万円であり、下限10万円なので注意してください。また助成事業完了後5年間は設備の稼働状況等について報告義務があります。

各自治体によって助成額や条件は異なりますが、ぜひ一度都道府県や市区町村等の条件をチェックしてみましょう。

AEDの補助金を設けている団体・財団

AEDが設置されれば、従業員や利用者に突然の心停止などが起きた際、命が助かる可能性が高まります。利用者や近隣住民の安心に繋がるでしょう。AEDの設置には費用が掛かりますが、導入を助ける補助金・助成金を出す団体が地方自治体以外にも存在します。

一般社団法人 あんしん財団

一般社団法人 安心財団(財団法人中小企業災害補償共済福祉財団)は、平成20年から従業員数に応じてAED設置の補助金を出しています。職場でのケガや急病に備えるため、AED本体や担架、人工呼吸用マスクを設置・購入した場合に、一部の費用を補助してくれます。

  • 対象:あんしん財団の企業保険に加入している従業員がいること
  • 補助金額:補助割合は1/2。加入者1人の場合に年間1万円まで(最大60人・16万円まで)

同財団の補助対象はAED以外にもあり、他の物品で補助金を使用していた場合には、上限金額からすでに受けた補助金額を引いた額が上限となります。

参照元:((pdf)あんしん財団/申請手続のご案内

財団法人 自治総合センター

財団法人 自治総合センターは宝くじの社会貢献工法事業として、コミュニティ活動に必要な備品・集会施設の整備に助成を行っています。地域文化への支援や活力のある地域づくりに対し、助成金を出しているのです。「コミュニティ助成事業」の一つとしてAEDの購入も対象となっています。

ただし枠が限られており、採用され助成金が下りるまでの条件が厳しめに設定されていることも。助成金が下りるかどうかはさておき、ひとまず申し込んでみるだけでもチャレンジの価値はあるでしょう。

市町村が認める自主防災組織に対し、助成率100%以内で30万円~200万円の補助が出るようです。金額は高いものの、実際に助成が下りる可能性は低いと考えて良いでしょう。

参照元:((pdf)自治総合センター/令和4年度コミュニティ助成金決定額

独立行政法人 日本スポーツ振興センター

日本スポーツ振興センターはスポーツくじの販売によって得られた収益をもとに、スポーツの振興を目的とする事業に対する助成を行っている団体です。

  • 対象:スポーツの競技会の開催準備及び運営に関する事業を目的として設立された非営利の法人
  • 補助金額:費用の2/3(上限は1,000万円)

スポーツ振興を目的とする団体であるという条件があるものの、かなり大きい額の助成金が下りるのが特徴。スポーツイベントの運営費や交通費・宿泊費なども助成の対象となります。スポーツを事業活動のメインとしている企業などはぜひチェックしてみてください。

参照元:((pdf)日本スポーツ振興センター/スポーツ振興基金助成金

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AEDの価格に関する基礎知識はこちらを参照>>

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