命を守るための道具として様々な施設で幅広く導入されているAEDですが、ペースメーカーの利用者にもAEDは使用できるのでしょうか。
結論から言えば、注意点を守って正しく使用しさえすれば、ペースメーカーの利用者にも問題なくAEDを使うことができます。
ペースメーカーとは、最低限の脈拍を維持するために心筋に微弱な電気パルスを与える装置です。ペースメーカーは心臓があるから機能する装置であり、入れ歯のような損なわれた機能そのものを代替する装置ではありません。そのためペースメーカーには心臓が正しく機能しなくなる心室細動を防ぐことは出来ず、また、止まってしまった心臓機能を回復させる機能もありません。
したがって、心臓がAEDによる蘇生が必要な危篤状態に陥る可能性は、ペースメーカーの利用者と非利用者を問わず存在します。緊急時にはペースメーカーの有無を問わず、AEDを正しく利用する必要があるのです。
ペースメーカーの利用者にAEDを使用する場合、以下の手順を絶対に守ってください。
一般的に、ペースメーカーは左右どちらかの鎖骨の下の部分に埋め込まれることが多い装置です。なので、ペースメーカーが埋め込まれた部分にはこぶ状の膨れ上があり、この部分をみればペースメーカーの位置を知ることができます。
事故のリスクを避けるため、AEDを使用する前にペースメーカーの位置をきちんと把握しておくようにしましょう。
ペースメーカーの利用者にAEDを使用する際には、ペースメーカーから最低でも2.5cm以上離れた箇所に電極パットを張るようにしてください。ペースメーカーと電極パッドの位置が近すぎると、ペースメーカーの故障の原因となることがあります。
なお、一般的にAEDの電極パッドは右胸と左脇腹に貼るのが望ましいとされていますが、ペースメーカーが右胸上部に埋め込まれている場合には、左胸と右脇腹に電極パッドを貼るようにして下さい。機種によっては、左胸と右脇腹に電極パッドを張ることで心電図の波形が逆転する可能性があるものの、AEDの蘇生機能自体には大きな影響はありません。
日本では、年間6万人もの方が病院外で心臓突然死に陥っています。救急車の平均到着時間は8分後。しかし、救命処置が1分遅れるごとに死亡率は10%も高くなってしまうのです。
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